商品説明
<新刊書>木村紀子・著/平凡社新書/189頁
文字が無かった頃、神話時代、あるいはそれより以前に日本列島に住んでいた人達は、
自分たちのいる場所や、移動先の場所をどのように表現していたのだろうか。
ことばの体系もない時代、先人たちは、声(音)の響きで、場所の違いや色、食べ物、生きものの違いを現していたとすれば、文字を持つ時代の人間よりもかなり豊かな表現力を持っていたと想像に難くない。
本書では、後に地名に当てられた、文字や漢字の固定観念を取り外して、原始の時代に響いていたと想われる声(音)から、日本列島の原風景と人間の暮しを探っている。
一つの音に、かなり濃厚な意味が込められている日本語の素晴らしさと、難しさを同時に味わえる作品。