商品説明
<新刊書>2022年5月1版2刷。マイケル・グラツィアーノ・著/鈴木光太郎・訳/白揚社/299頁。
帯あり。
近年、脳神経科学の進展に光が当てられています。
人工知能の進歩も、すさまじいものがあります。
かなりの領域の脳の機能が判明してきているようですが、まだわからない部分もたくさんあります。意識、心、情もその一つ。
私たちは今、自分が何処にいて、何に注意を向けているかを意識して、自分の存在を意識する事ができます。また、他者との存在の区別、さらに他者が何に注意を払っているか、他者の意識を感じる事もできます。このような「意識」はいつ、どのように生まれてきたのでしょうか。
脳のある領域が、この意識に関わっていることは分かっているようですが、まだ謎は多いようです。
脳が感じているものは、すべて「錯覚」であるという説も、かなり支持されているというので、ちょっと驚きました。
本書では、意識の成り立ちから、その解明への道筋、「機械は意識を持つことができるか」という大きな問いに、多角的にアプローチをして、その可能性をわかりやすく伝えてくれています。
著者の趣味が、執筆と作曲と腹話術ということからか、エンタメサービス精神あふれる文章で、楽しく読むことが出来ると思います。
時間はかかりますが、脳の全容を解明して完全にコピー・スキャン出来る日が来ると、著者はいいます。
人工意識が完成。そのとき、私たちの意識と存在の意味はどう変化してしまうのか。期待と同時に不安も大きい問題です。