商品説明
<新刊書>遠藤公男・著/ヤマケイ文庫/前302頁/2022年11月初版1刷。
2018年発行の同書に、加筆・訂正を加え文庫化されたもの。
嘗て、日本列島の生物界の頂点に君臨したニホンオオカミが、いつどこでどのように最後を迎えたかは、まだよくわかっていないと言います。
著者は、昭和30年代から狼の影、狼の最後の足跡を求めて調査をしています。
本書では、東北の地に残る、狼にまつわる言い伝えなどを丹念に探り、役所で発見した「獲狼回議」という狼の捕獲記録(明治11~12年)を基に、現地調査と聞き込みを重ねています。
とにかく、気の遠くなるような現地調査と聞き込みの力には圧倒されます。
そして、そこから見えてくる狼たちの生活、人間との関わり、絶滅への道のり、狼の遠吠えと共に、断末魔まで聞こえてきそうです。
最後には、最新の科学解析で判明したこと、最近の発掘調査で出てきた事実なども盛り込まれて、二ホンオオカミを知るための一冊であるとともに、私たち人間の姿を知るための一冊にもなっています。
著者のニホンオオカミに対する、深い憧れと、敬意、悔恨の想いが溢れ出している作品。