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2025/03/11 15:17

知識のPRアルプス・シリーズ 第112号「動物の愛情/古賀忠道・著」(昭和34年発行)を読んでみた。
全53頁と少ないページ数だが、動物の親子、あるいは夫婦の愛情、人と動物の間の情感などをわかりやすい言葉で綴っている。
動物たちの何も隠さない赤裸々な生活を観察していくことは、人や人間社会の問題点を考える上でとても有意義な事であると著者は述べているが、同時に人も動物のひとつであるから、他者よりも優位に立ち生き残ろうとする部分が潜んでいるであろうことも指摘していて、地球上から戦争をなくすことの難しさ、恒久的な平和が非常に遠い場所にあると感じていることを吐露している。
著者・古賀忠道(初代上野動物園園長)は、昭和16年から昭和20年の間、陸軍獣医将校として兵役についている。
そこで何を見て感じたのかは、全く分からないが、人間という動物の危うさ、分からなさを多分に味わったのではないだろうか。
動物のまっすぐな愛情と対比された、人間への警鐘と願い、祈りのような文章だった。