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2024/03/26 15:16
『世界はラテン語でできている』(ラテン語さん・著/SB新書)をカフェ内書架に追加。
多くの言語の土台となっているラテン語。
そもそも「ラテン語」とは、どこの言葉なのか?
それすらも詳しく説明できない自分に、今更ながら気が付いた。
「ラテン」って何でラテンというのか?
本書では、そこら辺の事も詳しく説明してくれているので、本文で確認して頂きたい。
ラテン語といえば「学名」に使われているというのが、最も身近に感じられる事だろうか。
植物、動物、昆虫等、あらゆる事物には世界共通の学名がラテン語でつけられている。
実際、16世紀ころまでは科学論文はラテン語で書かれていたというから、
ラテン語は文字としての優れた力を持っていたのだと思う。
日常会話としてラテン語を使っている人は、ごく僅かという。
話し相手は、そうは見つからないかもしれないが、
著者もラテン語を学習するにあたり、
「ラテン語で会話をするのは難しいが、石碑とは会話できる」と言われたエピソードに、
何かこみ上げてくるモノがあった。
本文を読むと、想像以上に身の回りにラテン語、ラテン語由来の言葉やモノが溢れている事に驚く。
本書ではあまり記載されていないが、自分自身がラテン語・ギリシャ語を意識したのは、
化学の授業が最初だったかなと思う。
化学物質の名称には、数を表す接頭辞がギリシャ語で付けられている。
以下参考まで。
1 mono(モノ)モノトーン、モノレールなど(ラテン語ではuni)
2 di(ジ/ディ)ジクロロエチレンなど (ラテン語ではduo)
3 tri(トリ)トリオ、トライアングルなど
4 tetra(テトラ)テトラポッドなど(ラテン語ではquadri)
5 penta(ペンタ)ペンタゴン(五角形/米国防総省の建物の形)(ラテン語ではquint)
6 hexa(ヘキサ)ヘキサゴン(六角形)(ラテン語ではsexa)
7 hepta(ヘプタ)(ラテン語ではsept>>元は7月だったセプテンバーSeptember)
8 octo(オクト/オクタ)オクトパスなど(元は8月だったオクトーバーOctober)
9 ennea (ラテン語ではnonus/ノナ>>元は9月だったノーベンバーNovenber)
10 deca(デカ)
一つをとっても、日本語や英語にも深く浸透している、ラテン語の汎用性、
文字や言葉としての自由度の高さがうかがえる。
ラテン語の単語が持つ意味の正確性と深さから、
外国語を翻訳する際に、ラテン語訳が正確な翻訳の一助になっていることも頷けた。
巻末の、著者とヤマザキマリさんとの対談も楽しい。
ラテン語が気になった方は、是非。