商品説明
<古書>長谷川眞理子・著/紀伊國屋書店。2005年9月1刷。カバー、スレ、薄くヤケあせ、背色あせ少しあります。天地小口、薄くヤケ。本文はおおむねきれいです。帯なし。
クジャクの雄に限らず、雄には派手で華やかな装飾を持っている生き物が多いですね。なぜでしょう。生物科学の世界でも、ダーウィンの性淘汰説から様々な議論がなされてきたようです。そして、科学の世界も男性科学者優位な時代が長く続き、どちらかといえば雄側からのアプローチに偏っていたことは否めません。本書では、様々な実験研究結果を踏まえて、雄の華やかさ(人間の感覚なので、実際他の生き物がどう感じるかは不明ですが)がどのように発達して行き、そこに何があるのかを丹念に探索解説してくれています。雌による好みの問題、同じ種でも個体による選択の違い、雄同士の葛藤と、雄雌の間の葛藤、置かれた環境や年齢による好みの変化など、あらゆる条件が雌と雄との間でどちらがどう選ぶかに関わっているのでしょう。人間に限らず、あらゆる生物に置おいて、「個」の選択や好みが、多くのバリエーションを生み出し、今あるバラエティーにに富んだ生物様相を作り上げていると感じます。
雄の華やかさについては、わからない部分はありながらも、かなり真実に迫ってきているようですので、ぜひ読んでみてください。ジェンダー問題を考える上でも役立つかもしれません。