商品説明
<新刊書>村田あやこ・文・写真/藤田泰実・デザイン・イラスト/雷鳥社。
路上園芸を観察する園芸という言葉を初めて耳にしたとき、結構な衝撃を受けたのを覚えています。植物を育てなくても園芸は出来る!そうだよ!そうなんだ!と、目が覚める気持ちでした。
路上園芸を観察する路上園芸観察家という新しい分野を開拓して、その魅力を発信し続けている著者・村田あやこさんと、グラフィックデザイナー・イラストレーターで落ちもん写真収集家の藤田泰実さんの才能が見事に融合した怪作。いや、快作。
村田あやこさんのイメージする言葉を、恐ろしいくらいにイラストとして表現しています。
架空のキャラクターを使って、実際に著者が観察してきた路上の植物たちをタイプ別に紹介。最後に路上園芸によく登場するアイテムの紹介もあり。各章の終わりの村田のコラムも味わい深いです。
路上にある植物たち、そこにはひとつひとつにドラマがある。人との関わりの中にみられる背景や歴史に眼を向けてみていくことが路上園芸観察のおもしろさの一つではありますが、何処を見るかはやはりそのひとの性格やセンス、今どんな状況にその人があるのかで、同じものでも見方は変わってきます。植物を育てる者としては、まず植物の健康状態を第一に気にしてしまうので、「こんな見方もあるのか」という新たな発見が沢山あります。
何より、路上の植物たちの状況を言葉にする才能と表現力、これが路上園芸観察家としての村田あやこさんの真骨頂であることを思い知らされる作品。藤田さんのイラストがさらにその世界を広げています。
植物が苦手、付き合い方が分からない方も、ゆるーい気持ちで、一度ご覧になってみてください。路上園芸観察は、今すぐ始めることができますので。