商品説明
<古書>山極寿一・著/日本放送出版協会。NHKブックス1099。2007年12月1刷。カバー、スレ少々。天地小口、薄くヤケ。小口、僅かに汚れ。本文、薄くヤケありますがおおむねきれいです。帯あり。
表題は、少し乱暴な感じがします。多くののページを、人間以外の霊長類・類人猿の観察・研究調査から、争いの原因(ご存知の通り「食」と「性」であるのですが)とそれらの葛藤をどのように回避するか、争いを避けるという社会システムをどのように構築しているかをゴリラやチンパンジー、ボノボ、ニホンザル等種類ごとに解説することに割いています。
それぞれの種類ごとに、集団内部(個々の)の対立、他集団同士の対立にどう対処するか、のしくみが全く異なるのは非常に興味深いです。
ゴリラは特にニホンザルのような順位制が無いのに、争いを避けるシステムが働いているので、人間にとっても大きな示唆になるような気がします。
人間はどうでしょうか、複雑化する社会構造の中で、常に同種間で傷つけあい争いの絶えない歴史を刻んでいます。人には誰しも暴力的な部分があることを認めたうえで、争点を明らかにして、争いを回避しコントロールしてゆくシステムを確実に構築していかないと、人類の未来は明るくはならないでしょう。
そのために、同じ時代を今一緒にこの地球上で過ごしている霊長類たちから学ぶことは大きいのかもしれません。
人間とは何者か、私たちはまだまだ理解できていないのだと思います。
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