商品説明
<古書>坂崎乙郎・著/河出書房新社。1976年12月初版。
カバー、スレ、キズ、ヨレ、少ヤケ、縁に傷み少しあり。天地小口、強いヤケ、シミ。本文、ヤケ、赤ペンの線引きが3カ所。見返しにシミ。読書に支障はありませんが、古書感ご了承ください。帯なし。
「絵とは何か」に真剣に向き合った、批評家の思索。
表題は、三島由紀夫「小説とは何か」に感銘を受けたからということです。
絵とは何か、単純な問いかけですが、答えは簡単ではありません。
物質的な捉え方であれば簡単に答えられますが、絵というものが持つ本質をことばで表そうとすると、端的に表現することができる人は多くはないでしょう。
著者は、文中序盤で「絵とは何か」に対するいくつかの答えを簡潔に表現しています。
それは、読んで探していただくとして、さらに絵というものを表現するのを難しくしているものとして、絵というものが、
「色彩」と「形」でできた感覚的な言語である(本文より)からと述べています。
絵を見ることは、プロセスは違えども小説を読むことと同じ感覚ということも、読んでいくと分かってきます。
現代絵画の作家の感覚を辿っていくとゴッホに行き着くということで、ゴッホと現代美術の関連も細かく語っていますので、「ゴッホの手紙」(小林秀雄・著)も併せて読むと良いかもしれません。
絵を描く人、絵を観賞する側も、一度読んでおいて欲しい一冊。
絵は見るものから、読むものへ。
管理番号M-2