商品説明
<古書>ヘレナ・ノバーク・ホッジ 著/『懐かしい未来』翻訳委員会・訳/山と渓谷社。
2003年7月初版1刷。カバー、スレ。天地小口、薄くヤケ。天地、シミ少しあり。本文、おおむねきれいです。帯なし。
インド北部、チベットに隣接するラダックは標高3000mを超える高地で降雨も少なく、冬は極寒に閉ざされるといいます。
そんな過酷な地域で2000年以上にわたり生活を営んできた人々の経験と知恵の蓄積は、永続的で全てが循環し、自然とともに人間が暮らすための叡智となり、進化してきたものだといえるのでしょう。
著者はラダックで長きにわたって生活を共にして、西洋人としてその伝統的な生活を客観的に観察し、また現代文明との接触がラダックの生活・文化を壊滅的に破壊してゆくさまも克明に記しています。
前半のラダックにおける伝統的な生活については、ぜひ沢山の人に読んでいただきたい部分。
科学技術の進歩を人間の進化と捉え、経済成長を追い求める現代文明とは全く違った、人間として生きることの本当の意味や、幸福とは何か、社会の中での一人一人の存在意義というものを考えさせてくれると思います。
ラダックのような伝統的な生活が異文化・異文明によって崩壊する様子は、かつてどの地域にでもあったものだと思われます。
著者はラダックで生活して、その壊れてゆくさまを外側から見られたことで、現代社会や文化の問題点を再認識し、また伝統的な生活の優れた面と変わっていくことが必要な側面を捉えて、双方が持続的な生活が出来るように新たな取り組みをして行きます。
人間がこの地球上で持続的な生活を続けるために必要なこと。その一つの答えも文中に記されていますので、ぜひ読んでみてください。