商品説明
〈古書〉キャロル・キサク・ヨーン 著/三中信宏・野中香方子 訳/NTT出版。2013年9月初版1刷。カバー、スレ、縁少ヨレ。天地小口、薄くヤケ、点シミすこし。小口、シミ汚れ少し。本文、薄くヤケありますがおおむねきれいです。帯あり、少シミ。
人間はとにかく分類したがる生き物。
人間の生活では、何と何が同じで、何処が違うかということはとても重要ですよね。
トマトとゾウの違い、キュウリと蛇の違い、私たちは直感的にその違いを捉えています。
脳のある部分に障害があると、この違いが判らなくなってしまうという症例が報告されているようです。古から人間の祖先たちが、色々なものを認識して分類して生活に生かしてきた積み重ねがそういう脳を作っているのかもしれません。
分類は、最初は人間の直感的な自然観から行われていましたが、それは生物がそのままの姿で変化しないで存在しているという前提でした。
ダーウィンが今ある生物は個体変化(進化)した結果の姿ということを明確にすると、分類の前提は崩れ去ります。全ての生き物が進化の系統樹に配置されることになると、分岐分類学など新たな科学的な分類がされるようになります。
或る意味、正しい分類が出来るようになったわけですが、そこには慣れ親しんできた直感的な自然感覚には受け入れがたい問題が起きてしまいます。
「魚類は存在しない」ということもその一つ。
なぜそんなことになってしまうのか?
皮肉にも科学的な分類が、人間と自然を引き離してしまう結果になり、
それは今日の生物多様性への関心の低下にもつながっているようです。
分類とは「自然の事物に名前を付けることである」。
分類の行方は、人間の自然との関わりにも大きな影響を与えそうです。
分類の歴史と未来から、科学とは何か?も考えさせてくれます。
管理番号M-2