商品説明
<古書>ピーター・クレイン・著/矢野真千子・訳/河出書房新社。2014年9月初版。
カバー、スレ、キズ少々、薄くヤケ、縁少ヨレ。他、薄くヤケありますがおおむねきれいです。帯あり。
イチョウの葉の形を知らない方は少ないと思います。一度見たら忘れることが難しいくらいのシンプルな形状。秋には黄金色に黄葉して、一気に落葉。景色を一変させてしまいます。イチョウは雄木と雌木に分かれている雌雄異株であることもご存知でしょう。雌木には銀杏の実が成りますね。イチョウは私たちの生活にあって当たり前の植物、生活文化にも深く根付いています。
2億年以上前から、地球上で命をつないできたイチョウの木。恐竜の盛衰も眺め、人の誕生も見てきたこの樹木は、かつて地球上のあらゆる場所で、繁茂していたことが化石の発掘等で分かっています。現在私たち人間の生活の中に溶け込み、世界中に植えられているイチョウ。ところが氷河時代を経て、人類が誕生しアフリカからアジアへ進出しようとしていた頃、イチョウは南半球、北米、ユーラシア大陸からほとんど姿を消し絶滅寸前だったといいます。僅かに中国南部で細々と生きていただけになってしまったようです。
絶滅の道をたどるはずだったイチョウの木が、現在でも当たり前のように私たち人間のそばにあるのはどうしてなのか?
それは、人と出会ったから。
2億年にわたる、イチョウの奇跡の物語です。
生き物が常に絶滅にさらされている今日、このイチョウの物語が、生物の多様性を保全していくうえで、大きな手掛かりになるのではとも綴っています。
小説よりドラマチックな物語をどうぞ。